たいして働いたわけでもないのですが、
年末年始にやった雪かきの筋肉痛が
今頃になって襲ってきている始末です。
またひとつ年(齢)をとったか、と実感。
降りしきる雪の中、
ひたすらスコップを動かしていたら、
昔読んだ一節が不意に思い出されました。
✤
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ。
(三好達治「雪」1930年)

この年末年始、子や孫の顔を見るのを待ちわび、
叶わなかった大人たちがどれほどいたことか。
父母や祖父母と一緒に卓子を囲めなかった
子供たちがどれほどいたか、と考えます。
✤
新しい年は、多くの太郎や次郎たちが
普通に家族と会える年になってくれたら。
そんなことを思っています。
今年もどうぞ宜しくお願いたします。
10年ほど前のこと。ピアニストは松本市内の映画ロケの現場を訪れ、
その直後に市内のホールで行われたテーマ音楽の収録に臨んだという。
「実は"一発録り"だったんです」
そう話すピアニストは、まるで昨日の事のように嬉しそうだった。
先週のクリスマス、辻井伸行さんに初めてお目にかかった。

"コロナの年"を締め括るツアーリサイタルの最終日が信州・松本。
しかも、かつて映画音楽を収録した同じホールでというご縁。
この日、私は「演奏家が考えるコロナと音楽」というテーマで
リサイタル直前の辻井さんにお話を伺う機会を得た。
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動画配信や無観客演奏など、様々な試行錯誤を経てようやく
秋頃から観客のいる場でピアノが弾けるようになった。
そのことが今とても嬉しいのだと辻井さんは話して下さった。
そして「news every.」のカメラの前で自ら選んで弾いた1曲が
映画『神様のカルテ』エンディングテーマ(辻井さん自身の作曲)。
かつて同じホールで"一発録り"したというあの作品だ。
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演奏時間4分14秒。立ち会った私には夢のような時間だった。
2台のテレビカメラが回るステージ上で辻井さんは、
またしても"一発録り"で収録を終えた。
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「コロナで人同士の距離が離れてしまうけれど、
でもせめて気持ちだけは近くに寄り添えたら。
音楽ならそれをつなげると思うんです」
✤
2020年のクリスマス。私は音楽の神様に出会えたと思っている。
おととい放送の「渡部陽一のまつもとフォト散歩」、
ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。
きょうは、ロケのこぼれ話をちょこっと。

このマスクのワンポイント、なかなか粋だと思いません?
蔵の街として知られる松本市中町通りでの撮影中、
地元商店街の方から頂いたものなんです。
蔵をデザインしたシンプルな構図とサイズが絶妙で、
実際に着用してみると(下の写真)こんな感じに。

【「ゆうがたGet!」スタジオで/撮影は齋藤沙弥香アナ】
オジサンのアップショットで失礼。渡部さんの方がよかったかも。
私も渡部さんも実はこのマスクがいたく気に入り、
「これ着けて撮影したらダメ?」と提案してはみたものの、
「ダメです!お二人の顔が分かんなくなります」とディレクター氏。
✤
マスク出演は叶わなかったが、時折着用しては会う人ごとに
「どう、これ?」と自慢して回っている(子供みたいだね、この人)。
鏡を覗くたびにチラリと映る蔵のマークが、
あの白壁の街並みをやわらかく思い出させてくれるのです。
「"おじさんぽ"らしい雰囲気でイイですねぇ」
と、ディレクター氏がつぶやいたのは、
蔵の街を歩いている時だったか、橋の上だったか。
「ねえ、これってそういうタイトルの番組なの?」
「いえいえ、あくまで仮タイトルですから、仮!」

こんな会話を、もうひとりの"おじさん"は隣でニコニコと聞いておられる。
戦場カメラマン・フォトジャーナリストの渡部陽一さん(写真右)である。
私と同世代だが、渡部さんの方がややお若い。
今回は城下町・松本を"おじさん"2人がふらりと街歩きするという番組。
住む人に、訪れる人に優しい昔からの街づくりの工夫を
写真家の目線で切り取ってもらうと、さてどうなるのか?
商店街で、歴史ある建物で、お城の庭で、
あのほんわかと鋭い"渡部節"が炸裂します。
いやー、仕事を忘れて(ごめんなさい)楽しかったなあ。
放送はあす ●12月19日 午後2:30~3:00
詳しくはこちらから ↓
https://www.tsb.jp/bangumi/special/2020/12/post-2410
わが居間の隅っこに鎮座している小さな「富士山」。

実はこれ、春先に開けてしまった障子の穴を塞いだ時のもの。
ただ紙を張り替えるだけじゃつまらない、との遊び心といいますか。
机周りに山積みされた本を移動中、手元が狂った結果として
このような富士山と相成ったわけです。
✤
思い返せばこの9カ月近く、いつになく本は読みました。
随分昔に読んだものを再読、再々読したものもあれば、
数ページ読んで放棄してあった1冊を最初から読み直したり。
✤
自身の読書記録をブログに綴っている友人や、
「最近何読んでますか?」と定期連絡をくれる
フリーアナウンサーの方などなど、
私の周囲には不思議と「本読み」が多い。
そんな仲間たちから刺激をもらいつつ
一日一度はページを開く習慣がいつの頃からか身についた。

読んでいる本が知られると、他人に頭の中を覗かれてるようで
実は恥ずかしかったりもするのですが。
✤
さて、「何読んでますか?」への答えになるかどうか、
私の机上の「積ん読」コレクションの一部(写真)です。
それにしても随分溜まってますね、ホコリが・・・・・・。